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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

クゲヌマラン

クゲヌマラン
鵠沼蘭
Cephalanthera longifolia

  • 目:キジカクシ目
  • 科:ラン科
  • 属:キンラン属

5月の下旬くらいに白い花を咲かせます。高さは30から50cmくらい。蕾の頃はそうでもありませんが、咲き始めると花の部分がにゅにゅっと伸びて葉よりも高くなります。同じ仲間のギンランは花に距(きょ)が見えますが、クゲヌマランは距がほとんど目立たないか、距が無いように見えます。

円山ではあまり目立ちませんが、広い範囲でポツンポツンとまばらに咲いています。咲く時期が5月から6月にかけてなので、散策路沿いなどに咲いていると、ちょうど草刈りの時期に重なって気がついたらバッサリ刈られていたりします。

円山公園や旭山記念公園にはクゲヌマランや、よく似たギンランも咲いています。見分け方のフローチャートを作ってみました。

ムラサキケマン

ムラサキケマン
紫華鬘
Corydalis incisa

  • 目:キンポウゲ目
  • 科:ケシ科
  • 属:キケマン属

5月中旬から末頃、その名の通り紫色の花をつけます。ケマン(華鬘)は、仏殿に吊るす仏具のことだそうです。花の形が似ているんだって。高さは、30から50cmくらい。葉の先端は丸い鋸歯になります。越年草。

群生しているんだけど、ちょっと遠い。近くで見られたらきれいだろうな。もっとたくさん広がってくれればいいんだけど。同じケシ科キケマン属なので、エゾエンゴサクと花の雰囲気が似ています。エゾエンゴサクよりも背が高くて、葉も大きく立派です。

円山動物園の「動物園の森 散策タイム」という普段入ることのできない動物園裏の森を散策する催しに参加したときにも、咲いているのを見ました。近くで見られて得した気分。

シラネアオイ

シラネアオイ
白根葵
Glaucidium palmatum Siebold et Zucc.

  • 目:キンポウゲ目
  • 科:キンポウゲ科
  • 属:シラネアオイ属

5月ごろ咲きます。高さは20から30cmくらい。淡い桃色の花がきれいな多年草です。ちなみに花に見えますが、花弁ではなく、萼片です。

写真を撮ったのは、2018年ですが、それ以来見かけていません。目立つ場所に咲いちゃうと、盗掘されることもあるようです。他の人のブログを見ていたら、時々咲いていましたという情報はあるみたいなので、こういう花は、ひっそりと目立たない場所で咲いている方がいいのかも。

2018年5月1日

オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ
大犬の陰嚢
Veronica persica

  • 目:シソ目
  • 科:オオバコ科
  • 属:クワガタソウ属

透明感のある淡い瑠璃色がとてもきれいな、小さな花を咲かせます。葉は鋸歯で、上部の葉はほとんど互生します。高さは10から25cmくらい。花の大きさは1cm無いくらい。花は4月末から5月。小さいのでうっかりすると見逃して、通り過ぎているかもしれません。

お日様が出てくると花が開いて、1日で花は落ちてしまうらしい。探すなら陽の温かいうちのほうがいいです。円山墓地のあたりに咲いていました。

名前については、あえて触れません。そっとしておいてあげましょう。

エゾタンポポ

エゾタンポポ
蝦夷蒲公英
Taraxacum venustum

  • 目:キク目
  • 科:キク科
  • 属:タンポポ属

春先、タンポポが咲き始めると、ついつい花の下を覗き込んじゃうんだよね。普段よく見るタンポポはセイヨウタンポポで外来種。昔から日本にある在来種は、数が減っているらしい。見分け方は簡単で、花の下の総苞片が反り返っていたらセイヨウタンポポ。反り返っていなければ、在来種だ。

そういうわけで、近所でタンポポが咲いていると、花の下を確認してみるんだけど、在来種は全然見つからない。やっと見つけたのが、写真のタンポポ。総苞片が反り返らずに、ピタッとくっついているのがわかりますか?奥の蕾のやつは、反り返っているので、外来種です。

それにしても都市部じゃほとんどセイヨウタンポポに占領されてしまったのでしょうか。子供の頃に見ていたタンポポはどっちだったんだろう?半世紀以上も前だから在来種も多かったんだろうと思うけど、そんなの全く意識したこともなかったな。

その在来だか外来だかも全くわかっていなかった子供の頃の話しになりますが、幼稚園でシャボン玉をみんなでやったことがあって、当時はストローがそれほど数がなかったのか、先生の指導でタンポポの茎をストロー代わりにしていたことを思い出しました。タンポポってストロー代わりなるんだと感心したことを覚えています。ワイルドだねぇ。

セイヨウタンポポ

総苞片が反り返っています。市内で咲いているタンポポのほとんどはこれです。

どっちなの?

外側の総苞片が開いているような、いないような。反り返ってはいない感じだけど・・・交雑種なのかな?円山公園の散策路に咲いていました。

カタバミ

カタバミ
片喰、酢漿草
Oxalis corniculata

  • 目:カタバミ目
  • 科:カタバミ科
  • 属:カタバミ属

花は、5月から9月、大雑把に春から秋です。高さは10センチから30センチくらい。葉は、ハートが3つ合わさった形で、キュート。花が咲いてなくてもわかります。一輪の小さくて黄色い花をつけます。日が当たると咲くようで、曇っていたり夕方には花が閉じています。

近所の駐車場の端っこや道端でよく見かけます。

葉っぱが赤っぽいものは、アカカタバミと呼ぶそうですが、これが都市部のヒートアイランドに対する適応進化ではないかということで、研究が進められているそうです。

都市の熱さで植物は赤く進化する ―ヒートアイランドへの急速な適応進化を初めて実証―

 研究グループは、カタバミという世界中の都市や農地に生えている植物に注目しました。カタバミには、明確な特徴があります。通常の緑の葉を持つ個体だけでなく、真っ赤な葉を持つ個体まで種内に葉色の変異があるのです。そしてカタバミの赤葉は、個体内で緑から赤に変化する樹木の紅葉などと違い、生まれたときから赤いままです。つまりカタバミの葉色の違いの多くは遺伝的に決まっている遺伝的変異といえます。都市のカタバミは路傍に生えており、高温ストレスを強く受けているように見えます。研究グループは、都市部では赤いカタバミが多いことに気が付き、これは都市の高温に対する適応進化かもしれないと考えました。

研究によると、どうやら高温時には、緑の葉よりも赤い葉の方が、光合成で高い活性化を示し、高温ストレスに対して耐性が強いようです。都市の高温ストレスがカタバミを赤く進化させているのではないかとのことです。

詳しくは、こちらの論文から
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abq3542

地球温暖化で、植物も新しい気候に対応するのが大変です。札幌はあまり赤いカタバミを見ないような気がしますが、これから増えてくるかもしれません。そのうち地球上の植物は、ウェルズの「宇宙戦争」に出てきた火星の植物みたいになるのかも。さて、このような環境の変化に対して、人類は生き残れるのでしょうか?