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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

ミズヒキ

ミズヒキ
水引
Persicaria filiformis

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

8月初め頃から咲き始める。高さは60から80センチくらい。長い穂に小さな花がまばらに付く。葉には黒い模様が付くので花が咲いていなくてもすぐにわかるが、花が咲く頃には大抵の場合模様は消えてしまうようだ。

9月にもなると、何がおめでたいのか円山の散策路のあたりは、ミズヒキだらけだ。
赤と白が混じった花が紐状に連なる感じが、ご祝儀袋や正月飾りに使われる紅白の水引に似ているってことで、「ミズヒキ」の名前がついたそうですが、こうもそこらじゅうミズヒキだらけだと、ありがたみも薄まりそう。

カキドオシ

カキドオシ
垣通し
Glechoma hederacea L. subsp. grandis (A.Gray) H.Hara

  • 目:シソ目
  • 科:シソ科
  • 属:カキドオシ属

カキドオシ(垣通し)、別名、レンセンソウ(連銭草)、カントリソウ(癇取草)ともよばれる。
ツル性の多年草で、高さは20センチほど。丸みを帯びた鋸葉で柄があり、葉は対生。5月の中頃花が咲く。円山のお墓の辺りでよく見かけます。「垣通し」という名前は、道端や垣根のところなどによく咲いているということでしょうか。
花弁には斑点があり、花の中にブラシのような毛があります。

食用や薬草として利用されていたそうで、サラダや天ぷら、ハーブティや健康酒などとしても使われます。一見地味だけど、活躍してたんだね。

ナワシロイチゴ

ナワシロイチゴ
苗代苺
Rubus parvifolius

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:キイチゴ属

6月初め頃から紅紫色の花をつけます。結構長く咲いています。地面を這うように伸びる低木。小葉は鋸葉で、先端はとがりません。
がく片は、開いていますが花弁は、閉じたままのようです。そのうち茶色く変色して枯れたようになり、がく片も閉じますが、再度パックリ開いて赤い実が顔を出します。果実は酸味が強く、ジャムなどに使われるそうです。

円山や旭山記念公園など、あちこちの道端で見かけます。動物園裏の藻岩山麓通ののり面にも咲いていますが、ちょうど咲き切ったころに、草刈りできれいさっぱり刈り取られていました。

エゾヘビイチゴ

エゾヘビイチゴ
蝦夷蛇苺
Fragaria vesca

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:オランダイチゴ属

5月はじめから、6月ごろ小さくて白い花を咲かせています。高さはせいぜい10センチから20センチくらい。花びらは5枚で、雄しべと雌しべの集合体は同じくらいの長さです。英名はワイルドストロベリー。

普段私たちが食べているイチゴは、このオランダイチゴ属のひとつが栽培されて、果物として普及したものだそうです。見慣れたイチゴのような、小さめの赤い実をつけます。食べることもできますが、道端のエゾヘビイチゴをつまんで食べるのは、おすすめしません。円山周辺は、エキノコックスをもつキタキツネもよく歩き回っているので、むやみに口に入れない方がいいです。

黄色い花を咲かせるヘビイチゴは、色の違いだけで形も名前もよく似ていますが、こちらはキジムシロ属です。

クサノオウ

クサノオウ
草の黄・瘡の王・草の王
Chelidonium majus

  • 目:ケシ目
  • 科:ケシ科
  • 属:クサノオウ属

高さ40センチほど。5月から8月くらいまで黄色い花をつける。花弁は4枚で、真ん中にニュウっと緑色の雌しべが伸びています。円山周辺では、あちらこちらで見かけます。

古くから薬草として知られていますが、同時に毒草でもあるので、取扱注意。素人が手を出しちゃダメな部類です。葉をちぎると黄色い乳液が滲み出てきて、皮膚に触れると炎症を起こしたりするそうです。

いかにも強そうな名前ですが、皮膚疾患や鎮痛剤としても用いられたため、薬草の王様的なネーミングのようです。

コンロンソウ

コンロンソウ
崑崙草
Cardamine leucantha

  • 目:アブラナ目
  • 科:アブラナ科
  • 属:タネツケバナ属

5月ごろ、白い花をたくさん付けます。高さは50センチくらい。小葉は5〜7枚で長さは4センチ以上、鋸歯状で先端が尖ります。
円山では、普通にたくさんあり、目立つわけでもありません。と、いうか、あまり気に留められることがない感じ。アップで見ると、花はきれいなんだけどね。

サイハイラン

サイハイラン
采配蘭
Cremastra appendiculata var. variabilis

  • 目:ラン目
  • 科:ラン科
  • 属:サイハイラン属

6月ごろ、暗い林の中にひっそりと咲いています。高さは40センチくらい。

草木が生い茂った暗い林で、1本だけポツンと咲いていると、妖しい美しさがあります。葉っぱは根元に1枚だけです。部分的菌従属栄養植物といって、光合成と合わせて菌類からも必要な養分を得ているそうなので、葉は必要最小限なのかな。

昔は、円山の動物園裏の散策路にも咲いていましたが、いつの間にか見なくなりました。盗掘されちゃったのかな?
ジメジメした暗い林の中だからこそ、美しさが引き立っていると思うんだけどね。

2001年と2013年の写真は、動物園裏のフェンス沿いに咲いていたもの。昔のデジカメで薄暗い中だったので、毎年挑戦したけど、まともに撮れたことがなかった。今もそうだけどね。
その後、ずっと見かけなかったんだけど、コロナのパンデミックでジムにも通わなくなって、代わりに頻繁にお散歩に出ることが増えて、円山周辺(といっても旭山記念公園まで含む結構広範囲)もあっちこっち歩くようになったので、サイハイランも久しぶりに見つけることができました。

タニギキョウ

タニギキョウ
谷桔梗
Peracarpa carnosa var. circaeoides

  • 目:キキョウ目
  • 科:キキョウ科
  • 属:タニギキョウ属

高さ10センチほどで、花は1センチくらい。白いちいさいな花で、花びらは5枚です。5月中旬から下旬頃にかけて咲いています。円山ではよく見かけます。

花は小さいけれど、まとまって咲いているのできれいです。丸っこい葉も可愛らしい。林の中の道沿いに咲いていたりしますが、ちょうどその頃、散策路に草刈りが入ったりするので、気がついたら無くなっていたってこともあります。もともと、春に一気に咲いて、他の草木が繁茂し出す頃には枯れて姿を消してしまうそうなので、草刈りが先か、枯れるのが先か、よくわかりませんが。

ツルネコノメソウ

ツルネコノメソウ
蔓猫の目草
Chrysosplenium flagelliferum

  • 目:ユキノシタ目
  • 科:ユキノシタ科
  • 属:ネコノメソウ属

高さ15センチくらい。5月初め頃咲き始めます。
ネコノメソウに似ていますが、ネコノメソウと違い、雄しべの数は8個。葉は互生(互い違いに生えてくる)します。また地面を這う長いツル(走出枝そうしゅつし)が伸びます。ツルを伸ばすネコノメソウってことかな。

円山の山頂近くの登山道、石段の縁にたくさん咲いています。登山道の真ん中だからとっても目立つはずだけど、そもそも小さくて地味なので、気づいていない人も多いかも。

マイヅルソウ

マイヅルソウ
舞鶴草
Maianthemum dilatatum

  • 目 キジカクシ目
  • 科 :キジカクシ科スズラン亜科
  • 属 : マイヅルソウ属

高さは、10から20センチくらい。総状花序(ソウジョウカジョ)で花軸に柄が出て先端に花を付けます。小さくて可愛らしい花です。5月中旬から下旬頃に咲きます。葉に艶があって、クリンとしているのが特徴的です。

円山近辺では、かたまってたくさん咲いています。きれいなんだけど、あんまりたくさん咲いてるから、ちょっとありがたみがない感じ。なもんで、写真も適当に撮ってる感が出ていて、少し残念。