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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

サルメンエビネ

円山では見かけなくなった花

サルメンエビネ
猿面海老根
Calanthe tricarinata

  • 目 : キジカクシ目
  • 科 : ラン科
  • 属 : エビネ属
  • 多年草

古い写真を整理していたら出てきました。この頃は目についた花を適当に撮っていただけなので、珍しいとも思わず写真に収めましたが、その後見かけていません。

高さは40cmほどです。偽球茎がエビの形に似ているというエビネの仲間で、赤みを帯びた唇弁にシワが寄っていて猿の顔みたいだから、サルメンエビネ(猿面海老根)だそうです。

うちにある図鑑を見ると、
生育地:山地の林内。藻岩山と八剣山にあるが、少ない。
メモ:種子から育てることができないので、盗掘によってほとんど姿を消した。
とあります。
ネットで調べてみたら、Scorpionflyさんという人の「円山原始林ブログ」というブログの記事で「円山のサルメンエビネが盗まれた!」という記事を見つけました。私が撮った写真とちょうど同じ時期の写真のようです。その数日後には盗掘されてしまったようです。こうしていつの間にか円山原始林の貴重な植生が失われていくのでしょうね。昔はこんな花も咲いていたんだよと記録しておくことしかできないのが、残念です。

クルマバソウの仲間

5月になると円山公園にはクルマバソウがたくさん咲いています。気がつくと、クルマムグラやオククルマムグラも咲いています。小さくて白い花をつけ、群生しているので、ぱっと見どれがどれやらわからなくなります。クルマバソウは何となく雰囲気でわかりますが、クルマムグラとオククルマムグラはわかりにくい。

てな訳で、早速フローチャートだ。最近フローチャートに凝ってるんだよね。Macに標準でついている「フリーボード」というソフトがとっても便利で、いままで色々なフローチャートソフトを使ってみていたんだけど、PDFもいい感じで書き出してくれて、結局これが一番使いやすい。 

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オククルマムグラ

オククルマムグラ
奥車葎
Galium trifloriforme

  • 目 : リンドウ目
  • 科 : アカネ科アカネ亜科
  • 属 : ヤエムグラ属

5月下旬から6月ごろ咲きます。咲く時期はよく似たクルマバソウよりも少し遅め。小さな3mmほどの花をたくさんつけます。花の根元はクルマバソウのようなロート状ではなくて、杯型なのでクルマバソウと見分けがつけられます。クルマムグラも同じような杯型の花をつけるので、花だけ見てもどっちがどっちかよくわかりません。そんなときは、茎をそっと触ってみます。クルマムグラは茎や葉の裏に毛がないので、触るとスベスベしていますがオククルマムグラは毛があってザラザラしています。葉の形もオククルマムグラは、若干太めです。

オククルマムグラ(奥)というからには、クルマムグラよりももっと山の奥の方に咲いているのかというと、そんなこともありません。円山では同じようなところに咲いているので、よけいに紛らわしいです。

クルマムグラ

クルマムグラ
車葎
Galium japonicum

  • 目 : リンドウ目
  • 科 : アカネ科アカネ亜科
  • 属 : ヤエムグラ属

5月下旬から6月ごろ咲きます。クルマバソウによく似ていますが、咲く時期は少し遅め。小さな3mmほどの花をたくさんつけます。花の根元はクルマバソウのようなロート状ではなくて、杯型なのでクルマバソウと見分けがつけられます。一方オククルマムグラも同じような杯型の花をつけるので、見分けが難しいです。ポイントは毛深いかツルツルか。クルマムグラは茎や葉の裏に毛がないので、触るとスベスベしています。葉の形もオククルマムグラと比べると、若干細めです。

ヘビイチゴ

ヘビイチゴ
蛇苺
Potentilla hebiichigo

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:キジムシロ属

5月の下旬ごろ、黄色くて可愛い花を咲かせます。花の大きさは12から15mmくらい。葉は3小葉(一つの葉柄から3つの小葉が出ている)で鋸歯があります。多年草。

萼片と副萼片の大きさが同じくらいで、葉の形は丸みを帯びています。赤い実を付けます。痩果(そうか)にはシワがあり、そのため赤い実全体に艶がないように見えます。

ヘビイチゴによく似た花にヤブヘビイチゴもあります。これがなかなか見分け方が難しい。ヘビイチゴは葉っぱの形が丸みを帯びていますが、ヤブヘビイチゴはちょっとだけ鋭角的。ヤブヘビイチゴの副萼片は萼片より大きい。ヘビイチゴの実は表面に艶がない。それに加えて、ヒメヘビイチゴというのもあって、余計こんがらがってくる。だんだんわからなくなってきたので、イチゴの仲間の見分け方もフローチャートにしてみました。円山公園には、ヘビイチゴもヤブヘビイチゴもヒメヘビイチゴもあるので、ぜひ見比べてみてください。

イチゴの話

苺は丸く膨らんだ実を付けますが、この部分は花床(かしょう)とか花托(かたく)と呼ばれる部分が膨らんだものです。その外側にある沢山の小さなツブツブが果実で、これは痩果(そうか)といって、中に種が入っています。てっきり外側のツブツブが種かと思ってました。実の外に種が付いていたらおかしいよね。果実だと思って食べていた部分は、実は花托(かたく)なのでした。でも果実も一緒に食べていたということだから、まぁいいか。

ヤブヘビイチゴ

ヤブヘビイチゴ
藪蛇苺
Potentilla indica

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:キジムシロ属

5月の下旬ころから黄色い花を咲かせます。花の大きさは15から25mm。葉は3小葉(一つの葉柄から3つの小葉が出ている)で鋸歯があります。多年草。

萼片より副萼片が大きく、葉の形はヘビイチゴに比べて鋭角的。赤い実を付けます。痩果(そうか)にシワは無く、ツルツルしています。赤い実は、ツヤツヤして見えます。

よく似ているヘビイチゴに比べて、葉や花、果実は少し大きめ。赤い実が付くと艶があるので、ヘビイチゴと区別がつきやすいです。ヘビイチゴの実は艶がありません。

オランダイチゴ属であるエゾヘビイチゴに比べてキジムシロ属であるヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、ヒメヘビイチゴは、食べても美味しくないようです。エゾヘビイチゴは姿形はよく似ていますが、白い花をつけるのですぐに分かります。

よく似たイチゴの仲間の見分け方を写真付きのフローチャートにしてみました。
こちらも見てください。