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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

サラシナショウマ

サラシナショウマ
晒菜升麻、更科升麻
Cimicifuga simplex

  • 目:キンポウゲ目
  • 科:キンポウゲ科
  • 属:サラシナショウマ属

8月から9月ごろ咲きます。高さは1メートルくらい。花穂の長さは20センチから30センチほど。

同じキンポウゲ科のルイヨウショウマと似たブラシ系の花ですね。こちらは大型ブラシって感じでしょうか。眩しいくらいの白です。漢方ではキンポウゲ科の植物であるサラシナショウマとその近縁種の根茎を生薬として使いますが、その際の名前が「ショウマ」です。解熱、解毒剤の効果があるそうです。

エゾトリカブト

エゾトリカブト
蝦夷鳥兜
Aconitum yezoense

  • 目:キンポウゲ目
  • 科:キンポウゲ科
  • 属:トリカブト属

60センチから150センチくらい。8月から9月ごろ、紫色の花をつける。葉は大きく切れ込み3片に分かれる。

言わずと知れた毒を持つ花です。昔トリカブト殺人事件なんてのもありましたが、古くから毒殺にも使われていました。エゾトリカブトはトリカブト属の中でも最も毒性が強い植物です。根、花、茎、葉で毒性に違いがありアイヌの人たちは矢の先端に即効性の弱い毒と遅効性の強い毒を塗り重ねて狩猟に使用していたそうです。
一方で漢方では弱毒処理がおこなわれた上で薬として使われたそうで、人間ってすごいを通り越して怖いわぁ。最初の人はどうやって、効用を確かめたんだろうね。

解毒剤はありません。うっかり触らないように。
でも、そこいら辺に普通にあったりするんだよね。

葉っぱは、ニリンソウとよく似ているから間違えて食べちゃダメだよと、よく言われています。ニリンソウは山菜として食べられていますからね。

どおです?似てますか?花が咲いてなけりゃ、わからないかもしれませんね。

キンミズヒキ

キンミズヒキ
金水引
Agrimonia pilosa var. japonica

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:キンミズヒキ属

7月末から9月初めくらい。茎の高さは1メートルほど。枝先にたくさんの黄色い花をつける。葉は5から9枚の小葉でとがった鋸葉。円山の散策路で普通に見られる。

赤いミズヒキに対して、黄色いのでキンミズヒキというこちらもおめでたい名前がついていますが、ミズヒキはダテ科だがキンミズヒキはバラ科です。花は1センチ以下ですが、たくさんつくので目立ちます。果実には棘があって、衣服や動物の毛について種が運ばれます。

ミズヒキ

ミズヒキ
水引
Persicaria filiformis

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

8月初め頃から咲き始める。高さは60から80センチくらい。長い穂に小さな花がまばらに付く。葉には黒い模様が付くので花が咲いていなくてもすぐにわかるが、花が咲く頃には大抵の場合模様は消えてしまうようだ。

9月にもなると、何がおめでたいのか円山の散策路のあたりは、ミズヒキだらけだ。
赤と白が混じった花が紐状に連なる感じが、ご祝儀袋や正月飾りに使われる紅白の水引に似ているってことで、「ミズヒキ」の名前がついたそうですが、こうもそこらじゅうミズヒキだらけだと、ありがたみも薄まりそう。

クサノオウ

クサノオウ
草の黄・瘡の王・草の王
Chelidonium majus

  • 目:ケシ目
  • 科:ケシ科
  • 属:クサノオウ属

高さ40センチほど。5月から8月くらいまで黄色い花をつける。花弁は4枚で、真ん中にニュウっと緑色の雌しべが伸びています。円山周辺では、あちらこちらで見かけます。

古くから薬草として知られていますが、同時に毒草でもあるので、取扱注意。素人が手を出しちゃダメな部類です。葉をちぎると黄色い乳液が滲み出てきて、皮膚に触れると炎症を起こしたりするそうです。

いかにも強そうな名前ですが、皮膚疾患や鎮痛剤としても用いられたため、薬草の王様的なネーミングのようです。