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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

ナワシロイチゴ

ナワシロイチゴ
苗代苺
Rubus parvifolius

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:キイチゴ属

6月初め頃から紅紫色の花をつけます。結構長く咲いています。地面を這うように伸びる低木。小葉は鋸葉で、先端はとがりません。
がく片は、開いていますが花弁は、閉じたままのようです。そのうち茶色く変色して枯れたようになり、がく片も閉じますが、再度パックリ開いて赤い実が顔を出します。果実は酸味が強く、ジャムなどに使われるそうです。

円山や旭山記念公園など、あちこちの道端で見かけます。動物園裏の藻岩山麓通ののり面にも咲いていますが、ちょうど咲き切ったころに、草刈りできれいさっぱり刈り取られていました。

エゾヘビイチゴ

エゾヘビイチゴ
蝦夷蛇苺
Fragaria vesca

  • 目:バラ目
  • 科:バラ科
  • 属:オランダイチゴ属

5月はじめから、6月ごろ小さくて白い花を咲かせています。高さはせいぜい10センチから20センチくらい。花びらは5枚で、雄しべと雌しべの集合体は同じくらいの長さです。英名はワイルドストロベリー。

普段私たちが食べているイチゴは、このオランダイチゴ属のひとつが栽培されて、果物として普及したものだそうです。見慣れたイチゴのような、小さめの赤い実をつけます。食べることもできますが、道端のエゾヘビイチゴをつまんで食べるのは、おすすめしません。円山周辺は、エキノコックスをもつキタキツネもよく歩き回っているので、むやみに口に入れない方がいいです。

黄色い花を咲かせるヘビイチゴは、色の違いだけで形も名前もよく似ていますが、こちらはキジムシロ属です。

クサノオウ

クサノオウ
草の黄・瘡の王・草の王
Chelidonium majus

  • 目:ケシ目
  • 科:ケシ科
  • 属:クサノオウ属

高さ40センチほど。5月から8月くらいまで黄色い花をつける。花弁は4枚で、真ん中にニュウっと緑色の雌しべが伸びています。円山周辺では、あちらこちらで見かけます。

古くから薬草として知られていますが、同時に毒草でもあるので、取扱注意。素人が手を出しちゃダメな部類です。葉をちぎると黄色い乳液が滲み出てきて、皮膚に触れると炎症を起こしたりするそうです。

いかにも強そうな名前ですが、皮膚疾患や鎮痛剤としても用いられたため、薬草の王様的なネーミングのようです。

サイハイラン

サイハイラン
采配蘭
Cremastra appendiculata var. variabilis

  • 目:ラン目
  • 科:ラン科
  • 属:サイハイラン属

6月ごろ、暗い林の中にひっそりと咲いています。高さは40センチくらい。

草木が生い茂った暗い林で、1本だけポツンと咲いていると、妖しい美しさがあります。葉っぱは根元に1枚だけです。部分的菌従属栄養植物といって、光合成と合わせて菌類からも必要な養分を得ているそうなので、葉は必要最小限なのかな。

昔は、円山の動物園裏の散策路にも咲いていましたが、いつの間にか見なくなりました。盗掘されちゃったのかな?
ジメジメした暗い林の中だからこそ、美しさが引き立っていると思うんだけどね。

2001年と2013年の写真は、動物園裏のフェンス沿いに咲いていたもの。昔のデジカメで薄暗い中だったので、毎年挑戦したけど、まともに撮れたことがなかった。今もそうだけどね。
その後、ずっと見かけなかったんだけど、コロナのパンデミックでジムにも通わなくなって、代わりに頻繁にお散歩に出ることが増えて、円山周辺(といっても旭山記念公園まで含む結構広範囲)もあっちこっち歩くようになったので、サイハイランも久しぶりに見つけることができました。

クルマバツクバネソウ

クルマバツクバネソウ

クルマバツクバネソウ
車葉衝羽根草
Paris verticillata

  • 目 : ユリ目
  • 科 : シュロソウ科
  • 属 : ツクバネソウ属

開花は6月初めくらい。高さは2、30センチくらいかな。全体に緑色でどこが花だかわかりにくい。ピョコンと上向きに伸びた部分が雄しべです。花の感じはシャープでかっこよくて好きなんだけど、いまいち派手だか、地味だか、どっちなのって感じ。数も少ないのでタイミングがずれると、そういえば今年は見なかったな、なんて見逃しがち。