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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

カタバミ

カタバミ
片喰、酢漿草
Oxalis corniculata

  • 目:カタバミ目
  • 科:カタバミ科
  • 属:カタバミ属

花は、5月から9月、大雑把に春から秋です。高さは10センチから30センチくらい。葉は、ハートが3つ合わさった形で、キュート。花が咲いてなくてもわかります。一輪の小さくて黄色い花をつけます。日が当たると咲くようで、曇っていたり夕方には花が閉じています。

近所の駐車場の端っこや道端でよく見かけます。

葉っぱが赤っぽいものは、アカカタバミと呼ぶそうですが、これが都市部のヒートアイランドに対する適応進化ではないかということで、研究が進められているそうです。

都市の熱さで植物は赤く進化する ―ヒートアイランドへの急速な適応進化を初めて実証―

 研究グループは、カタバミという世界中の都市や農地に生えている植物に注目しました。カタバミには、明確な特徴があります。通常の緑の葉を持つ個体だけでなく、真っ赤な葉を持つ個体まで種内に葉色の変異があるのです。そしてカタバミの赤葉は、個体内で緑から赤に変化する樹木の紅葉などと違い、生まれたときから赤いままです。つまりカタバミの葉色の違いの多くは遺伝的に決まっている遺伝的変異といえます。都市のカタバミは路傍に生えており、高温ストレスを強く受けているように見えます。研究グループは、都市部では赤いカタバミが多いことに気が付き、これは都市の高温に対する適応進化かもしれないと考えました。

研究によると、どうやら高温時には、緑の葉よりも赤い葉の方が、光合成で高い活性化を示し、高温ストレスに対して耐性が強いようです。都市の高温ストレスがカタバミを赤く進化させているのではないかとのことです。

詳しくは、こちらの論文から
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abq3542

地球温暖化で、植物も新しい気候に対応するのが大変です。札幌はあまり赤いカタバミを見ないような気がしますが、これから増えてくるかもしれません。そのうち地球上の植物は、ウェルズの「宇宙戦争」に出てきた火星の植物みたいになるのかも。さて、このような環境の変化に対して、人類は生き残れるのでしょうか?

ツユクサ

ツユクサ
露草
Commelina communis

  • 目:ツユクサ目
  • 科:ツユクサ科
  • 属:ツユクサ属

高さは30から50センチくらいで、花の時期は7から9月くらい、と手元の図鑑には書いてあるけど10月の末でもけっこう咲いています。温暖化のせい?みずみずしい青色の花は夏のイメージだったんだけど。

朝咲いて午後にはしぼむそうなので、夕方に散歩をしていると、花はなかなか見られない。
道端で普通にたくさん咲いていますが、そこいらに咲いているからといって雑草あつかいするにはもったいない、かわいい花です。

イヌタデ

イヌタデ
犬蓼
Persicaria longiseta

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

6月から10月くらい。20センチから50センチくらいで、赤紫のちっちゃな花を密に付ける。
道端で普通に見られる、いわゆる雑草。葉は互生して、細長い楕円形。うっすら黒っぽい模様が見えるのは、ミズヒキ(タデ科 イヌタデ族)と同じイヌタデ族の特徴。

イヌムギとかイヌエンジュとか植物名には「イヌ」と名のつくものがありますが、本物に比べて役に立たないとか、格下という意味があるそうです。香辛料などに使われるヤナギタデに対して、何の役にも立たないタデということで、「イヌタデ」になったらしい。植物学者には、たぶん猫派が多いんだと思う。

よく見ると、色もきれいで可愛いんだけど、あんまりたくさんになると、ちょっとうっとうしいかな。近所の空き地でよく見かけます。