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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

イヌタデ

イヌタデ
犬蓼
Persicaria longiseta

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

6月から10月くらい。20センチから50センチくらいで、赤紫のちっちゃな花を密に付ける。
道端で普通に見られる、いわゆる雑草。葉は互生して、細長い楕円形。うっすら黒っぽい模様が見えるのは、ミズヒキ(タデ科 イヌタデ族)と同じイヌタデ族の特徴。

イヌムギとかイヌエンジュとか植物名には「イヌ」と名のつくものがありますが、本物に比べて役に立たないとか、格下という意味があるそうです。香辛料などに使われるヤナギタデに対して、何の役にも立たないタデということで、「イヌタデ」になったらしい。植物学者には、たぶん猫派が多いんだと思う。

よく見ると、色もきれいで可愛いんだけど、あんまりたくさんになると、ちょっとうっとうしいかな。近所の空き地でよく見かけます。

ミズヒキ

ミズヒキ
水引
Persicaria filiformis

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

8月初め頃から咲き始める。高さは60から80センチくらい。長い穂に小さな花がまばらに付く。葉には黒い模様が付くので花が咲いていなくてもすぐにわかるが、花が咲く頃には大抵の場合模様は消えてしまうようだ。

9月にもなると、何がおめでたいのか円山の散策路のあたりは、ミズヒキだらけだ。
赤と白が混じった花が紐状に連なる感じが、ご祝儀袋や正月飾りに使われる紅白の水引に似ているってことで、「ミズヒキ」の名前がついたそうですが、こうもそこらじゅうミズヒキだらけだと、ありがたみも薄まりそう。

サイハイラン

サイハイラン
采配蘭
Cremastra appendiculata var. variabilis

  • 目:ラン目
  • 科:ラン科
  • 属:サイハイラン属

6月ごろ、暗い林の中にひっそりと咲いています。高さは40センチくらい。

草木が生い茂った暗い林で、1本だけポツンと咲いていると、妖しい美しさがあります。葉っぱは根元に1枚だけです。部分的菌従属栄養植物といって、光合成と合わせて菌類からも必要な養分を得ているそうなので、葉は必要最小限なのかな。

昔は、円山の動物園裏の散策路にも咲いていましたが、いつの間にか見なくなりました。盗掘されちゃったのかな?
ジメジメした暗い林の中だからこそ、美しさが引き立っていると思うんだけどね。

2001年と2013年の写真は、動物園裏のフェンス沿いに咲いていたもの。昔のデジカメで薄暗い中だったので、毎年挑戦したけど、まともに撮れたことがなかった。今もそうだけどね。
その後、ずっと見かけなかったんだけど、コロナのパンデミックでジムにも通わなくなって、代わりに頻繁にお散歩に出ることが増えて、円山周辺(といっても旭山記念公園まで含む結構広範囲)もあっちこっち歩くようになったので、サイハイランも久しぶりに見つけることができました。