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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。天然記念物にも指定されている都市の中の原始林をさっそく楽しんでみましょう!

ツリフネソウ

ツリフネソウ
釣船草、吊舟草
Impatiens textorii

  • 目:ツツジ目
  • 科:ツリフネソウ科
  • 属:ツリフネソウ属
  • 一年草

高さは50から80センチくらい。茎は部分的に少し赤みがさしています。葉は楕円形で鋸歯。筒状の花は茎の先端部から吊り下がり、後ろに長い距を伸ばします。距の先はくるりと丸まっているのが可愛らしい。花は赤紫色から白っぽいグラデーションで、赤い斑点があります。やや湿ったところで、群生します。

昔は、「フウロソウ目」に分類されていましたが、最新の遺伝子研究によって、現在は「ツツジ目」に分類されています。

円山公園内では見た記憶はないです。旭山記念公園には咲いているらしいですが、こちらも見たことがありません。写真は、もう少し藻岩寄りの山裾の住宅地の道端です。確かに水が流れているようなところでした。

ハナツリフネソウ

円山公園近辺だと、よく似たハナツリフネソウが咲いています。こちらは園芸種として入ってきたものが、野生化した帰化植物です。庭の花として植えられているのも見かけます。うちの近所では、空き地ですっかり野生化して群生しています。

ハナツリフネソウは園芸種らしく、白とピンクがはっきりしていて、距が伸びていますが先端はそれほど丸まっていません(1回転しない)。斑点もなくてスッキリしています。特に湿気ったところを選ぶでもなく、どこでも咲いている印象です。

円山でよく見られるキツリフネと3つ並べてみた

ツリフネソウ
ハナツリフネソウ
キツリフネ

距の先っぽが丸まっているとか、伸びているとか、柴犬のシッポみたい。「キツリフネ」だけ「ソウ」がつきません。仲間はずれ?

サルメンエビネ

円山では見かけなくなった花

サルメンエビネ
猿面海老根
Calanthe tricarinata

  • 目 : キジカクシ目
  • 科 : ラン科
  • 属 : エビネ属
  • 多年草

古い写真を整理していたら出てきました。この頃は目についた花を適当に撮っていただけなので、珍しいとも思わず写真に収めましたが、その後見かけていません。

高さは40cmほどです。偽球茎がエビの形に似ているというエビネの仲間で、赤みを帯びた唇弁にシワが寄っていて猿の顔みたいだから、サルメンエビネ(猿面海老根)だそうです。

うちにある図鑑を見ると、
生育地:山地の林内。藻岩山と八剣山にあるが、少ない。
メモ:種子から育てることができないので、盗掘によってほとんど姿を消した。
とあります。
ネットで調べてみたら、Scorpionflyさんという人の「円山原始林ブログ」というブログの記事で「円山のサルメンエビネが盗まれた!」という記事を見つけました。私が撮った写真とちょうど同じ時期の写真のようです。その数日後には盗掘されてしまったようです。こうしていつの間にか円山原始林の貴重な植生が失われていくのでしょうね。昔はこんな花も咲いていたんだよと記録しておくことしかできないのが、残念です。

シラネアオイ

シラネアオイ
白根葵
Glaucidium palmatum Siebold et Zucc.

  • 目:キンポウゲ目
  • 科:キンポウゲ科
  • 属:シラネアオイ属

5月ごろ咲きます。高さは20から30cmくらい。淡い桃色の花がきれいな多年草です。ちなみに花に見えますが、花弁ではなく、萼片です。

写真を撮ったのは、2018年ですが、それ以来見かけていません。目立つ場所に咲いちゃうと、盗掘されることもあるようです。他の人のブログを見ていたら、時々咲いていましたという情報はあるみたいなので、こういう花は、ひっそりと目立たない場所で咲いている方がいいのかも。

2018年5月1日

イヌタデ

イヌタデ
犬蓼
Persicaria longiseta

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

6月から10月くらい。20センチから50センチくらいで、赤紫のちっちゃな花を密に付ける。
道端で普通に見られる、いわゆる雑草。葉は互生して、細長い楕円形。うっすら黒っぽい模様が見えるのは、ミズヒキ(タデ科 イヌタデ属)と同じイヌタデ属の特徴。

イヌムギとかイヌエンジュとか植物名には「イヌ」と名のつくものがありますが、本物に比べて役に立たないとか、格下という意味があるそうです。香辛料などに使われるヤナギタデに対して、何の役にも立たないタデということで、「イヌタデ」になったらしい。植物学者には、たぶん猫派が多いんだと思う。

よく見ると、色もきれいで可愛いんだけど、あんまりたくさんになると、ちょっとうっとうしいかな。近所の空き地でよく見かけます。

ミズヒキ

ミズヒキ
水引
Persicaria filiformis

  • 目:ナデシコ目
  • 科:タデ科
  • 属:イヌタデ属

8月初め頃から咲き始める。高さは60から80センチくらい。長い穂に小さな花がまばらに付く。葉には黒い模様が付くので花が咲いていなくてもすぐにわかるが、花が咲く頃には大抵の場合模様は消えてしまうようだ。

9月にもなると、何がおめでたいのか円山の散策路のあたりは、ミズヒキだらけだ。
赤と白が混じった花が紐状に連なる感じが、ご祝儀袋や正月飾りに使われる紅白の水引に似ているってことで、「ミズヒキ」の名前がついたそうですが、こうもそこらじゅうミズヒキだらけだと、ありがたみも薄まりそう。

サイハイラン

サイハイラン
采配蘭
Cremastra appendiculata var. variabilis

  • 目:キジカクシ目
  • 科:ラン科
  • 属:サイハイラン属
  • 多年草

6月ごろ、暗い林の中にひっそりと咲いています。高さは40センチくらい。

草木が生い茂った暗い林で、1本だけポツンと咲いていると、妖しい美しさがあります。葉っぱは根元に1枚だけです。部分的菌従属栄養植物といって、光合成と合わせて菌類からも必要な養分を得ているそうなので、葉は必要最小限なのかな。

昔は、円山の動物園裏の散策路にも咲いていましたが、いつの間にか見なくなりました。盗掘されちゃったのかな?
ジメジメした暗い林の中だからこそ、美しさが引き立っていると思うんだけどね。

2001年と2013年の写真は、動物園裏のフェンス沿いに咲いていたもの。昔のデジカメで薄暗い中だったので、毎年挑戦したけど、まともに撮れたことがなかった。今もそうだけどね。
その後、ずっと見かけなかったんだけど、コロナのパンデミックでジムにも通わなくなって、代わりに頻繁にお散歩に出ることが増えて、円山周辺(といっても旭山記念公園まで含む結構広範囲)もあっちこっち歩くようになったので、サイハイランも久しぶりに見つけることができました。