Responsive image

エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

位置エネルギーで蓄電

ちょっとばかり古いニュースなんだけど。
再生エネルギーを利用するうえで、必要不可欠な蓄電技術。でもなかなか画期的な蓄電池が出てきませんね。そこで原始的とも言える単純な方法で蓄電しようという計画があるそうです。

世界で最も高いビル? 高さ1000メートルのバッテリー

そこで「超高層蓄電ビル」の登場だ。世界で有数の超高層ビルを複数手掛けた建築・工学企業、スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)は5月末、エネルギー貯蔵企業エナジー・ボールトと提携して、新しい重力蓄電ソリューションを開発すると発表した。

これには、電力需要が低いときに送電網からの電力で動くモーターを使って巨大なブロックを持ち上げる超高層ビルの設計も含まれる。これらのブロックは「位置」エネルギーとして電気を蓄える。需要があるときにはブロックが下がってエネルギーを放出し、それが電力に変換される。

CNN 2024.08.08

いろいろと考えるものですね。シンプル・イズ・ベスト!
最初見たときは、面白いことを考えるものだなと思いました。でもよく考えたら、超高層で重量のあるものを高層に持ってくるのは、構造上大変だし、しかも吊り下げられた状態で上下に移動する。免震上のバランスとかどうなるんだろう。ある程度スペースも取るだろうし、それが各階ドドッーと貫いていたら、床面積的にも結構取られちゃうし、経済的に割が合うのかなぁ、なんてビルのオーナー気分で余計な心配してしてしまいました。

揚水発電とかも位置エネルギーを使った蓄電システムは他にもあるけど、高低差を利用するだけのとっても単純な仕組みだから、なんかもう少しうまい方法がないのかなと、考えてみました。

日本は海洋面積が世界第6位

いつも思うんだけど、これだけの海に囲まれているのに、うまいこと活用できてるの?と。何しろ日本の周りには深い海もいっぱいあるわけです。陸地から10km程度でも水深1,000m以上の海域が結構あるじゃないの。陸地で超高層ビルを建てて位置エネルギーを利用するより、海の底に重りを落とすほうが簡単じゃない?

深海位置エネルギー蓄電システム
深海位置エネルギー蓄電システム

沖合の浮島に再生エネルギー基地を作る。イラストはわかりやすいように風車型風力発電になっているけど、縦型のマグナス式風力発電も期待している。背が高くないから、構造的にも安定しそうだし、台風時にも発電できる。何しろ野鳥も安心。海上なら敷地の問題はないから太陽光発電でもいいのかもしれない。発電機に巻き付けたロープの先に鉄製(密度の高い材料)の重りを付け、発電量に余裕があるときに、海面まで重りを巻き上げておき、電力需要が高まったら、重りを落として発電機を回し発電する。実にシンプル。これを複数台設置して、そのうちいくつかを錨として海底に沈めておき、かわりばんこに起動させればいいんじゃないかな。もちろん海中だから、浮力があるので地上よりもエネルギー効率は落ちるけれど、海中に吊るすだけだから、たくさん設置すればいい。たくさんあれば、そんなに深いところまでいかなくてもいいだろうし。
名付けて、「深海位置エネルギー蓄電システム」おっ、なんかカッコイイかも。

近くに深い海はいっぱいあるし、技術もある。毎年毎年巨大なエネルギーの台風もやってくる(これは異常気象でどうなるかわからないけど)。こんなに条件のいい国ってなかなか無い気がするんだけどな。
それとも、もうとっくにこんなことは考えられていて、着々と計画が進められていたりしないのかなぁ。

そのうち、再生エネルギー基地だけじゃなく洋上作物工場とか、どんどん規模を大きくして自立型の海上都市までいけば、地球温暖化で海面が上昇してもなんとかなるかもね。