頬袋いっぱいに詰め込んだシマリス
春になると冬眠から覚めたシマリスが寝ぼけた顔で出てきます。エゾリスは冬眠しないので、1年中動き回っていますが、シマリスは冬の間は土の中で寝ているので、春から秋までしか見られません。地上性のリスなので、登山道とか地面の上でよく見かけます。
日本にいるシマリスは、北海道に住む、正確に言うとシベリアシマリスの亜種エゾシマリスだけです。
よく飼われているペットのシマリスは、シベリアシマリスの亜種チョウセンシマリスです。チョウセンシマリスはもともと日本にはいないのでペット用として輸入された種です。本州にはシマリスはいないので、本州の森でシマリスを見かけたら、それは飼われていたのが逃げ出したか、飼えなくなって外に放たれた外来種のチョウセンシマリスです。
北海道でもペットとして飼われているシマリスはいるので、それが外に出てしまいエゾシマリスと交雑する可能性が指摘されています。チョウセンシマリスとエゾシマリスは外見上は見分けがつきません。人間に平気で近づいてくるのは、ペットで飼われていたチョウセンシマリスかも知れません。
最近、円山に登るとヒマワリの種が置かれているところがあります。たぶん ”ばえる写真” が取りたくて野鳥やリスが来るように置いているんでしょうね。でも、公園や森、山の中で野生動物に餌をやるのはやめましょう。餌はもらえるもんだと思ってしまうと、自分で餌を見つけられなくなり、生態系が崩れてしまいます。
餌の乏しい冬の間、自宅の庭先に餌台を置くのは否定しませんが、鳥やリスを呼び寄せるために森や山で餌をまくなんて、やるべきではありません。
札幌市(https://www.city.sapporo.jp/kurashi/animal/choju/soudan/#e)でもいろいろと啓蒙活動をやっていますが、なかなか理解してもらえていないようで、残念です。
そのうち、円山で見かけるシマリスが、いつの間にかチョウセンシマリスに入れ替わってしまい、せっせと人間が餌を運んでやっている、なんてことになったらイヤだよね。