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エゾリス通信

北海道札幌市の円山公園周辺は、 エゾリスをはじめとして様々な野鳥や、植物が豊富です。都市の中の原始林を楽しみながら未来に残しましょう。

野鳥初心者は、これさえあればOK

新・山野の鳥: 野鳥観察ハンディ図鑑

バードウォッチングを初めてみたいけど、何からどうしたらいいのかわからないって人は、まず最初の一歩としてこの図鑑をおすすめします。

公園で見かけた鳥や、お家の庭に来た鳥など、ちょっとした場面ですぐ調べられるのがハンディ図鑑の良いところです。薄くてかさばらないので、ポケットやカバンに入れて持ち歩けるのも楽ちん。バードウォッチングのお供に最適です。値段も安いしね。

その鳥がどういう所にいて、どのくらいの大きさか、色や特徴などがわかりやすいイラストで描かれています。街や公園、山や林で見かける野鳥はだいたい載っていて、鳥の種類は多いですが、文章も簡潔でいつでも使える野鳥の図鑑としてはピッタリです。

初めはよくわからなかった鳥の名前も、1羽、2羽とおぼえてくると楽しくなってきます。世界がちょっとだけ広がったような気さえします。

幸せの青い鳥選手権

オオルリとコルリ-スケッチ

幸せの青い鳥はどれだ!なんていうのは、よくある野鳥ネタですが、だいたいそこで出てくるのは、オオルリ、コルリ、ルリビタキです。円山でもこの三種は見られます。春先は特にオオルリはきれいな声でさえずっているので、目につきやすいです。

どれが青い鳥にふさわしいかといえば、私的には青い鳥といえばオオルリ。鮮やかな瑠璃色と気品のある佇まい、白と黒とのコントラストもあってより一層青が目立ちます。1位はオオルリに決定。

ルリビタキ-スケッチ

2位は僅差でルリビタキかな。明るめの青と脇腹のオレンジがとっても美しくて、幸せな気分になります。青い鳥といいながらも、オシャレなオレンジ色をちょこっと使用しているのが、反則すれすれですが、かわいいからOKです。
3位はコルリ。オオルリは黒が青を引き締めているし、ルリビタキはオレンジが青を際立たせています。その点コルリは青の見せ方が少し弱い気がします。

結局青をどううまく見せるかの勝負になってしまった。幸福感はあんまり関係ありません。

本家、幸せの青い鳥ってどれ?

実際のところ、幸せの青い鳥論争(?)の決着は、どこもウヤムヤでお茶を濁している感じ。こうなると本家「青い鳥」の作者メーテル・リンクの頭の中にあった青い鳥はいったいどの種なのかが気になります。メーテル・リンクが暮らしていた場所には、青い鳥はいたのか?

メーテル・リンクの出身地ベルギーの青い鳥を調べてみた

List of birds of Belgium」というベルギーの野鳥リストを見ると、それらしい青い鳥はルリビタキとイソヒヨドリが載っています。オオルリやコルリは、ベルギーでは見られないようです。ルリビタキはいかにも幸せそうな雰囲気がありますが、イソヒヨドリは青がちょっとくすんでいて、お腹も錆色で青と同じくらい目立っているので、青い鳥と呼ぶにはどうなんだろう。
と思っていたら、どうやら日本のイソヒヨドリは亜種で、種としてのイソヒヨドリ(Monticola solitarius英名 blue rock thrush は全身青色なので、まぁ鮮やかな青とは言えないけれど、十分青い鳥の範疇には入りそうです。

もうちょっと調べていると意外なニュースを見つけました。

https://www.brusselstimes.com/864098/rare-blue-rock-thrush-turns-up-in-belgium-for-first-time-in-147-years

ベルギーで珍しいイソヒヨドリが147年ぶりに出現

ベルギーにおけるこれまでのイソヒヨドリの最初で唯一の目撃例は、1877 年にナミュール州オロイ市で鳥が捕獲されたことに遡ります。
ベルギーの野鳥ファンにとって、イソヒヨドリの発見は素晴らしいニュースであり、すでに100人以上のバードウォッチャーがデュルビュイに殺到している。「熱狂的な野鳥観察家にとって、この鳥は新年の始まりにぴったりの鳥です。

The Brussels Times , 2024年 1月 6日 土曜日

どうやら、迷鳥のようです。野鳥リストにあったイソヒヨドリは、この時の記録かもしれません。記事の写真を見るとまさに全身青いイソヒヨドリ。やっぱり珍しかったんだね。

そうなるとベルギーで普段見ることが出来る青い鳥は、ルリビタキってことで、いいんじゃないでしょうか。幸せの青い鳥の正体は、ルリビタキ!!

いや、待て待て。
記事をよく読んだら、「イソヒヨドリの最初で唯一の目撃例は、1877年」と書いてある。メーテル・リンクさんの生まれたのは、1862年。て、ことは当時15歳。1877年の青い鳥捕獲のびっくりニュースも見ていたんじゃなかろうか。
それに原作ではかごの中にいた鳥「tourterelle」フランス語で「キジバト」が青い鳥に変わったと書いてある。キジバトは33cm,イソヒヨドリは23cm,ルリビタキは14cm。33cmが14cmに変わっていたら色が変わったどころじゃなくて、違う鳥になちゃった!だよね。体型的にもイソヒヨドリのほうがまだ近いか。うーん。

心情的には幸せの青い鳥はルリビタキがピッタリと思うけど、少年の頃青い鳥発見のニュースに心ときめいて「青い鳥」を書いた説をとって、「イソヒヨドリ」で最終決定といたします(個人的見解)。
残念ながら円山あたりではイソヒヨドリは見られないかな。

それはそれとして、オオルリでもコルリでもルリビタキでも、青い鳥はなかなかいないから、見られたらラッキー!と思って、幸福な気分に浸ってください。


美声でしかも美しい キビタキ

キビタキ-スケッチ

春になって円山でのバードウォッチングで一番の楽しみは、なんといってもキビタキとオオルリです。ちょうどゴールデンウィークの頃やってきます。

新緑の中で目に付きやすいのは、キビタキです。体の色もいかにも春が来たよーって感じで、黒と黄色の鮮やかなコントラストがとってもきれいです。さらに、さらに、鳴き声まで美しい!
「ピルル、ピッピッピィチョ」とか「クルル、ピッ、ピロピロ」とか、なんか複雑に鳴いています。同じようなフレーズを繰り返して鳴くのが特徴です。
林の中を歩いていると、「聞いて聞いて、聞いてよ」と呼び止められるみたいに枝に止まって鳴いてくれたりします。キビタキのメスじゃなくても、惚れちゃうかも。

1年中駆けまわっている エゾリス

エゾリス-スケッチ

エゾリスは、冬眠はしないので、1年中見ることが出来ます。山の中や、神宮の境内にもいます。
たいてい木の上をカッカッと爪の音を立てながら駆け回っています。

初めて円山に登った時、眼の前を横切っていったのがエゾリスでした。山の中でいきなり現れたので、何だこのでかい動物は?と思いました。それまでエゾリスは見たことがなかったし、リスって言えば、小さいシマリスくらいしかイメージがありませんでした。でかいと言ってもせいぜい25センチ位で、シマリスの倍くらいなんですけど。その後円山にはどこにでもいて、しょっちゅう見られるものだと知りました。

エゾリスは、木の枝にちょこんと座ってよくクルミを食べています。
カリカリと音をたてて筋の所をかじり、まっぷたつにします。
林の中を歩いていると、よく二つに割れたクルミが落ちていますが、これはエゾリスが食べた後です。
それにしても、かたいオニグルミをきれいに割っていますね。見るたびに感心してしまいます。
時々買ってきたクルミで餌やりをしている人がいるらしくて、大きめのクルミが地面に散らばっているのを見かけます。こんなのばっかり食べてたら、歯とか顎が弱くなってかたいオニグルミなんか食べたくないっ、てならないか心配。

公園の野鳥や動物に餌はやらないでね。

白いカラス

大昔の記事で申し訳ないんだけど、せっかく写真が残っていたので当時の記事と一緒に載せておきます。その頃円山の裏参道に住んでいて、その後3年間くらい時々見かけていたので、いじめられもせず生きていたんでしょうね。


白いカラスと遭遇(1999年4月)

 去年の暮れあたりから噂になっていたんですが、円山にいるという白いカラス。今日初めて見ました。

 うちの前のゴミステーションにゴミを出しに行ったら黒いカラスと一緒にゴミをあさっていたんです。
何だ、コイツは!と思ったあと、しばらく見つめ合ってしまいました。
はっと気がついてとりあえずゴミを置くことにしました。
ゴミにカラス除けの網をかぶせている間も横でじっと見ているので、あわててカメラを取りに行きました。戻ってくるとまだゴミをつついています。静かに近づいたら今度は飛んで逃げてしまいました。

ゴミを持って近づいても逃げないのにカメラを持って近づくと逃げるところはさすがにカラスだと思いました。

1999年4月撮影 後ろが白い車じゃなくてよかった

ニリンソウ

ニリンソウ

ニリンソウ
二輪草
Anemone flaccida

  • 目 : キンポウゲ目
  • 科 : キンポウゲ科
  • 属 : イチリンソウ属

開花は5月初旬。高さは20センチくらい。円山で群生しています。エゾエンゴサク、エンレイソウ、キバナノアマナの後ぐらいに咲き始めます。

エンレイソウと同じで、花びらみたいに見える白いのが実は萼片(がくへん)だそうです。
山菜として地上に出ている部分は花まで食べられるそうですが、葉っぱはトリカブトと似ているので間違って食べないように、だって。白い花が咲いているときに採れば大丈夫なんだろうけど、トリカブトは円山にもあるから、ちょっとね・・・。そこまでして食べなくてもいいかな。
二輪いっぺんには咲かなくて、一輪ずつ咲いていきます。三輪咲いているのもよく見ます。